情報誌「くらしと」に掲載されている「トリクムクミアイ~トナリの管理組合の選択と決断~」の記事をご紹介!
震度6を想定した防災プロジェクト
−高層マンションの地震対策−
東京マスタープレイス(東京都大田区)
寄贈品と餅つき
高い参加率といえばイベントにも当てはまる。毎年開催する雛祭りや餅つき大会などをはじめとした”子ども祭り”には、ここに住む大半の子どもと親が訪れ、参加者は数百人にのぼるという。また、このマンションのイベントでは、ある共通した特徴がみられる。それは雛人形や鯉こいのぼり幟、クリスマスツリーといった飾り物の多くが、居住者からの寄贈品であることだ。初めてクリスマスツリーを1本購入して設置した際、使わなくなったツリーを一緒に飾ってほしいと提供されて以来、徐々に集まり始めたのだという。また、子ども祭りの餅つきは、もともとは居住者の有志の集まりが発案し、それを理事会が支援したことで根づいた居住者主導のイベントだそうだ。このように居住者がコミュニティに自発的に参加するようになった理由のひとつとして、マンションをより良くしようとする理事会の想いが挙げられる。読みやすく整理された廊下の掲示板、子どもたち向けの数多くのイベント、防災プロジェクト ——。すべての居住者が安全に、快適に暮らせるよう努める姿勢は、確かに居住者に伝わっているようだ。実際、年1回の抽選で理事に選出された人のほとんどが積極的に参加しているという。「安心して快適に暮らすためには、何も起こらなければそれが一番。ただ、いざというときのための準備は必要ですよね」。防災プロジェクトもまだまだこれからと、現理事長の佐伯さんは明るい笑顔を見せた。