ダイちゃん
ママー! 電話が鳴ってるよ!

ダイちゃんママ
ごめんねダイちゃん、ママ、今手が離せないの。取ってもらえる?

はーい。もしもし、どちら様ですか?
あっ、おじいちゃん! ぼくダイちゃんだよ、うん、とっても元気だい!

ダイちゃんパパ
おじいちゃんとの電話は終わったのかい? ダイちゃん

うん、おじいちゃん、元気そうだったよ!

ところでダイちゃん、今の電話、本当におじいちゃんだった?
えっ! どういうこと!?
だって、おじいちゃんだよって言ってたよ。
違う人だなんて、そんな……そんなわけないよ……。

ははは、ごめんよダイちゃん。
今の電話はもちろんおじいちゃんに間違いないよ。

もー! ビックリしたよ!
どうしてそんな意地悪するの?

実はね、詐欺の犯人は、電話の相手を勘違いさせているんだ。
ダイちゃんは、「おじいちゃんだよ」って言われたからおじいちゃんだと思ったんだよね?

ぼくのおじいちゃんは、パパのパパか、ママのパパしかいないもん。
おじいちゃんはおじいちゃんだい!

つまり、「おじいちゃん」と名乗る人は自分のおじいちゃん以外にいないってことだね。

そんなの、当たり前だい!
そうだね。その「当たり前」を犯人は利用しているんだ。
「おじいちゃんだよ」と言われたらその人はおじいちゃん、
「市役所の○○です」と言われたら市役所の人、 「警察です」と言われたらおまわりさんだと思うのが「当たり前」だろ?
もし、犯人がおじいちゃんに「ダイちゃんパパです」と言ったら……?

うわーん! おじいちゃーん!
それはパパじゃないよー!!

「当たり前」が頭にあると、相手が名乗った瞬間、自動的に「その人だ!」と判断してしまうんだ。
そうなってしまったら、あとは相手の話がよっぽどズレていない限り、疑ったりしなくなるんだよ。

ぼく、おまわりさんに「パパが事故に遭って、お金が必要だよ」って言われたら、信じちゃうよ……

それが当たり前。
でも当たり前は悪いことじゃないよ。大事なのは「相手をちゃんと確認すること」だ。

どうしたらいいの?

身内の場合は、合言葉や、今まで使っていた電話番号にかけ直すこと。
役所や警察の場合は、一旦電話を切って、インターネットや電話帳、番号案内などで電話番号を調べて、伝えられた番号が正しいかどうか確認すること。


教えられた電話番号はウソかもしれないから、確かめなきゃダメなんだね。

その通り!
確認することも「当たり前」になればいいね。

ねえダイちゃん、ママも一つ確認したいんだけど、
さっきの電話、ママの方のおじいちゃんだった?それともパパの方?

えっ、えーっとね……
おじいちゃんは、おじいちゃんだい!

ダイちゃん……
「当たり前」の前に、相手が誰なのか、ちゃんと確かめようね





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