キョウコちゃん 世界中があなたの敵になっても、わたしだけはあなたの味方よ! |
ダイちゃん キョウコちゃん……! ひしっ! |
ダイちゃんパパ おいおい、突然どうしたんだい、二人とも。 |
昨日ドラマでやってたんだい! キョウコちゃん、なんだか気に入っちゃったみたいで、ずーっとやってるの。 |
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えっへへー。 なんだか照れくさいんだい! |
だけど、その親の愛情を逆手に取ってだまそうとする人間も、世の中にはいるんだよなぁ。 |
オレオレ詐欺だね! 本当に許せないよ! |
オレオレ詐欺の被害に遭った人はね、子どものことでもう頭がいっぱいになっちゃって、周りのことが見えなくなってしまったそうだよ。 銀行では一度にたくさんお金を下ろそうとする人に声を掛けることになっているんだけど、「子どもを助けないと!」と必死になっている人にとっては、銀行の人が邪魔をしているように思えてしまうんだって。 |
銀行の人は、その人のためを思って声を掛けてるんでしょう? |
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おかしいって気付いてるのに!? 本当にそんなことってあるの? 信じられないよ…… |
親の愛情というのは、それほど人を一生懸命にさせるものなんだ。 パパはダイちゃんもキョウコちゃんもママも、みーんな愛してるから、その気持ちがとってもよく分かるよ。 |
だけど誰の言うことも聞かないぐらいになっちゃったら、もう防ぎようがないじゃない。 愛してくれるのは嬉しいけど、そのせいで悲しい目に遭っちゃうのはイヤだい…… パパ、ぼくにもしものことがあっても、ぼくのことなんかもう放っておいて…… |
ダイちゃん、諦めちゃダメだ! これはみんな犯人がそう「思い込ませてる」だけなんだ。 だから思い込む前に気付いたり、思い込んでも確認したりできれば被害は防げるんだよ。 |
そっか! そのために家族で合言葉を決めたり、留守番電話に設定したり、いつも使っている携帯電話の番号に かけ直してみたりするんだね。 |
分かってきたね、ダイちゃん! 電話は相手が見えない分思い込んでしまいやすいから、本人かどうかを確認することが何より大事なんだ。 |
確認して、本当の話じゃなかったら安心できるもんね! |
ねえママ。 ママは世界中がわたしの敵になっても、わたしの味方でいてくれる? |
ダイちゃんママ もちろんよ! でも、できればキョウコちゃんにもダイちゃんにも、そんな状況とは無縁な、穏やかで幸せな人生を歩んでほしいわ。 |
(親心としてはそれが一番だよね、ママ……!) |