キョウコちゃん お兄ちゃん、おままごとしよー。 |
ダイちゃん うん、いいよ! |
じゃあお兄ちゃんは、パパの役と、赤ちゃんの役と、おじいちゃんと、ママのお友だちと…… |
えーっ! そんなにいっぱいやるの~!? |
ダイちゃんパパ ははは、ダイちゃん。なんだか大忙しだったね。 そういえば詐欺の犯人も、ウソを信じさせるためにいろんな役を演じたりするんだよ。 |
どうして? おままごとならいっぱいいた方が面白いけど…… |
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そっかぁ、別の人が出てくると、一人が言ってるよりも本当の話みたいに思えちゃうよね。 |
しかも息子の話とつじつまが合っていたら、なおさらウソだとは思わないだろ? 次は、大事な小切手をなくしてしまったからお金が必要だという話になるけど、 その時に会社の上司役が出てきて、少しお金を出して、助けてくれると言うんだ。 |
なんだか、ごめんなさいって気持ちになるね。 |
そう。他の人に迷惑をかけているから、自分も何とかしなくちゃって思わせるのが犯人のワナだ。 |
家族思いの人ほどそう思っちゃうかも……。 |
別の人が出てくることで本当の話のように思わせる手口は、 「架空請求詐欺」というのにも使われて いるんだよ。もっとたくさんの人が出てくるし、怖いことを言って脅かすんだ。 |
うわわ、ぼく、怖い話は苦手だい! |
怖い話といっても、おばけじゃないよ。 「あなたが当選した権利を譲ってほしいので、名前だけでいいから貸してほしい」とお願いされて、 「いいですよ」と返事をしたら、その後、別のところから「名前だけ貸すのは違法だ!逮捕されるぞ!」 と電話がかかって来るんだ。 |
た、逮捕? 牢屋に入れられちゃうの!? |
怖いだろ? さらにその後、「名前を貸してほしい」と言った人がまた電話をかけてきて、「大変なことになったけど、 私の言うとおりにお金を預けてくれれば大丈夫です」と言って安心させるんだ。 |
よかった~。預けるってことはまた返してもらえるんだよね? |
そ~れ~が~、 犯人のワナだー!!! |
きゃー! 怖いよー!!! |
逮捕なんて言われたら、この先の人生どうなってしまうんだろうって、 他のことなんかもう考えられなくなっちゃう。そんな時に「何とかしてあげる」と言われたら、 誰だってすがってしまうだろ?そうやって頼らせておいて、実は言うがままにお金をどんどん騙し取るのが 犯人のねらいなんだ。 |
おばけなんかよりずっと怖い話だい…… |
こんな風にいろんな役の人を登場させることで、ぐいぐいと話に引き込んで、本当かどうか 考えるスキも与えないようにしているんだよ。 相手のペースに飲まれたら、誰だって簡単に逃げることはできないんだ。 |
もおおおお!! 怖すぎて、だんだん怒りたくなってきちゃったよ!! パパ! 犯人の話を信じないためにはどうすればいいの!? |
お金の話が出たら、一人で悩んだり決めたりしないで、とにかく誰かに相談すること! 犯人が一人じゃないなら、こっちだって一人で考えないことだよ。 家族でも、近所の人でも、警察でもいい。誰かに話して、「それは詐欺」って気付いてもらおう! |
マンションの管理員さんも話を聞いてくれるかな? |
もちろん! |
ダイちゃんママ ねえダイちゃん、サンタさんへのクリスマスプレゼントのお願い、新しいゲームって書いてあるけど、 この前違うの買ったばかりじゃない。 |
だってだって! みーんな持ってるんだよ! えーと、きょうへいくんでしょ、アスカちゃんでしょ、それからね…… |
あらあら、お友だちがたーくさん登場してきたわ。 だったらサンタさんもきっと、パパやママに相談してくるわね。 |
サンタさーん! ぼくの話は信じてよ~! |