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情報誌「くらしと」取材レポート

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情報誌「くらしと」に掲載されている「トリクムクミアイ~トナリの管理組合の選択と決断~」の記事をご紹介!

2013年12月号

震災復旧工事と大規模修繕、
労をねぎらい合った35年目の管理組合。

ボトルが外れ、倒壊の恐れのあった鉄骨の非常階段。震災直後、近隣は通行禁止となり、その区域に位置する保育園(写真右側)と駐車場(写真手前)は復旧工事完了までの間、移転を余儀なくされた


【上】震災によりボトルが外れ、危険な状態となった非常階段と、大きな亀裂の入った共用廊下の壁面。4~8階の中間階は特に被害が大きかった。


【上】大規模修繕と震災復旧工事の期間中、2期に渡って理事等を務めた木村さん。パーティでは木村さん、吉田さんのこれまでの組合への尽力を讃え、花束が贈られた。【下】理事会の皆さん。後列左より時計回りに、高橋さん(理事長)、佐々木豊さん(監事)、芳賀さん、佐野川さん、勝亦さん、佐々木洋子さん、村上さん。

ライオンズマンション大和管理組合/宮城県仙台市

想定外の収入となったのが、市が一定金額まで住宅の工事代を負担してくれる応急修理制度だった。そもそも共用部に適用されるか分からなかったこともあり予算に組み込んでいなかったが、後日、使用できることが判明。
「専有部の修理で使わなかった金額を共用部の修繕に提供してもらうことで、追加の工事が行えました。居住者のみなさんの協力のおかげです」(木村さん)
資金が集まったことにより、同年10月から始まった震災復旧工事および第2回大規模修繕工事では、応急工事でしのいでいた給水設備を直結増圧方式に一新、外壁の修復や玄関扉の交換といった必須の工事に加え、バルコニーの手すりの取替やエントランスの全面改装など、資産価値の向上につながる工事も行うことができた。
今回の工事でデザインを新たにした広々としたエントランスは、震災当夜に居住者が集まって暖をとり、不安な想いを共有しながら一夜を明かした思い出の場所でもある。
「雪の降る寒い夜でした。すべてのライフラインが止まってしまっているなかで、居住者の方が提供してくれた発電機はとてもありがたかったですね。ヒーターで暖まりながら持ち寄ったテレビで気仙沼の火事を見て、これは大変なことになったと心配したのを覚えています」(木村さん)
その日からライフラインが復旧するまで、どれほど不自由な生活を強いられたかは想像に難くない。なかでも大変だったのが水汲みだったと言うのは、震災復旧委員を務めた吉田さん。
「エレベーターが動くようになったのは3月17日。それまでは11階の自宅まで階段で往復。これはかなり大変でした。見かねた知り合いの方が息子さんに手伝うよう頼んでくれて助かりました。近所の方のありがたみと顔見知りであることの大切さを感じましたよ。結局、水道が使えるようになったのは3月25日。本当に長かったです」 

現理事長の高橋さんは、震災で学んだ教訓を活かせるよう思案中とのこと。
「仙台は地震が起こりやすいエリアで、また大きな地震が起きる可能性もあると言われています。今回痛感したのは、ライフライン復旧までの大変さ。ここは14階建ですし、高齢の居住者も今後ますます増えていく。そうなるとエレベーターが動かなくなることを想定して、備蓄品は各階、それが無理でも数階ごとには保管する分散方式をとりたいですね。最低でも一週間は大丈夫な態勢にしたい。免震、耐震といったハード面の強化は難しくても、最低限やれることはたくさんあります。35周年を機に再度見直して、今後のための備えを考えていきたいと思っています」

2年後、仙台には新たに地下鉄が開通する。マンションから新設する駅までは徒歩1分。震災の教訓を活かし、新たなスタートを切った築35年のマンションの価値は、きっとこれからも上昇し続けることだろう。

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