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情報誌「くらしと」取材レポート

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2016年3月号

震災備忘録

「参った、参った。本当に、まったく前が見えないんだね」

もくもくと立ちこめ視界を遮る煙の中から、お孫さんの手を握りながら一歩一歩前に進み出てきた女性は、そうつぶやいた。これは災害時の記録ではなく、防災訓練の「煙体験コーナー」でのワンシーンである。

さいたま市にあるライオンズガーデン東大宮(以下、「LG東大宮」)は、3棟324世帯が住まう大型マンション。毎年秋に、全居住者を対象とした防災訓練を実施している。毎回、近隣の消防署にも協力を仰ぎ、冒頭の「煙体験コーナー」のような体験型防災訓練を実施していることもあり、参加者は100世帯を超える。その盛り上がりは一般的なマンションの自主訓練の域を超えていると言えるだろう。

参加してもらうためにはどうすればよいか。
その思いで、防災訓練のプログラムは充実したものに。

「秋季防災訓練リポート」でご紹介したように、LG東大宮の防災訓練は多種多彩なプログラムにあふれている。それが、多くの居住者の積極的な参加を生み出すポイントなのだ。
「防災訓練は、一人でも多くの人に集まってもらうことを考え、さまざまな工夫をしています。体験型のプログラムを多く用意しているのは、その工夫のひとつです」

そう語るのは、先の震災以来訓練のリーダーを務める自主防災本部の堀村防災管理委員。多くのプログラムをリズムよく展開することで、参加者を飽きさせないよう担当チームで工夫しているという。さらに、今回は「煙体験」だったが、前回は「起震車での震度7体験」、前々回は「担架の使い方講座」と目玉プログラムを変更し、毎年、参加者が好奇心を持てるようにという配慮も欠かさない。

「目新しいことをやるなど、参加意欲をかき立てるものが必要。
『昨年参加したからいいや』では、参加者の数はどんどん減ってしまいます。だから、防災訓練を楽しくて大切なイベントと思えるようにアイデアを盛り込み、徹底して準備を行います。訓練に参加してもらえれば、いざという時にどこに行けばいいか知ってもらえる。あそこに行けば人がいると思ってもらえる。そして、人の顔を見られれば安心じゃないですか。シンプルですが、それこそが防災だ、と私たちは考えています。防災訓練はただ実施するのではなく、多くの居住者に参加してもらい、暮らしの安全性を向上させるという目的を持ち続ける事が大切だと思います」(堀村防災管理委員)




自主防災本部を核に、知識を持った居住者を増やし、
マンション全体の防災熟練度が向上。

LG東大宮の防災訓練は、最初から大掛かりだったわけではない。自主防災本部の防火管理者である桐谷さんは、東日本大震災が変化のきっかけと語る。
「あの大きな揺れで、このマンションでもエレベーターが3日間止まりました。幸いにも閉じ込められた人はいなかったのですが、タイミング悪く乗り合わせた人がいたら……そう思うと、防災対策を改めないとダメだと考えました。そうして防火活動を主体に活動していた自衛消防隊を改組して立ち上げたのが現在の自主防災本部です。緊急時にリーダーとなって周囲に指示ができる人材をマンション内に増やすために、防災に積極的に取り組む組織を整えたのです。今回のようなマンション全体での防災訓練の他に、夏季に自主防災本部の役員だけのスキルアップ訓練を行っています」

秋季防災訓練の各プログラムでは自主防災本部の役員が丁寧な説明を行っていた。ある役員はマンション内に備えた防災BOXの使い方を、また別の役員はエレベーターで閉じ込められた時の対処法を紹介。その堂々とした語り口からは、各役員が責任を持ってスキルアップに励んでいることが伝わってきた。

さらに、実際にスキルが生きた例もある。昨年、震度4の地震が起こった際にエレベーターが停止。その時、近くにいた役員が迅速な安否確認と復旧の手配を行い、事なきを得たという。
「自主防災本部は自治会と管理組合のメンバーから構成されているので、役員が定期的に入れ替わります。それは、一つのメリットだと言えるでしょう。居住者のみんなが自主防災本部の役員として防災訓練を経験することで、マンション全体の防災の熟練度が高まるからです」と、自主防災本部の庄司本部長は語る。





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