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情報誌「くらしと」取材レポート

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2016年9月号

震災備忘録

 

震災への備えとして防災訓練や備蓄の充実など、ソフト面の強化を進めているマンションの数は着実に増えている。一方で、マンションというハード自体の強化に目を向けた耐震改修工事は、コストや工事の規模といった課題が多い。
東京都練馬区の中心部にあるライオンズマンション豊玉(以下、「LM豊玉」)は、この秋に耐震改修工事を完了させる。築46年という長い歴史を持つマンションが、「工事スペースの確保」や「居住者の高齢化」といった課題を乗り越え工事を実施した経験談は、防災力向上への貴重なアドバイスになるはずだ。



この場所に住み続けたいという居住者の思いが、
耐震改修工事に対する理解を深めた。

「このまま新築のマンションが建つのかと思いましたよ」
管理組合の久保木副理事長は、LM豊玉の裏庭に誕生した巨大な耐震フレームの建設風景をそう振り返った。大地震の強い衝撃から11階建てマンションを守るための耐震フレームだ。
一本で重さ6tもあるコンクリート柱を総計19本も使い、6階分の高さにまで組み上げられた。当然、その支柱を埋める基礎工事も、地面を深く掘り起こす大がかりなものだった。
「工事が大規模な分、しっかり守られるのだという安心感も大きくなりました」(久保木さん)

LM豊玉が耐震改修工事を実施したきっかけは、目の前を走る道路が、災害時の救助活動の生命線となる「特定緊急輸送道路」に東京都から指定されたことにある。
「平成23年3月に、『東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例』が施行されて、それによりLM豊玉も耐震診断が義務づけられたのです。翌月には大京アステージさんに耐震改修の提案をしていただき、やるならば他のマンションに先駆けて工事をしてしまおうと動きだしました。私たちがいち早く行動に移れた理由は二つあります。一つは、東京都から助成金( 耐震診断の費用は全額、改修工事費は約半額)が受けられること。さらにもう一つ、居住者の皆さんに工事の実施を前向きに理解していただける基盤がマンション内にあったことも、大きな原動力になりました」と樋口理事長は、工事開始の経緯を教えてくれた。

LM豊玉には、46年前の竣工時に入居した久保木さんをはじめ、長年住み続ける居住者が多い。そうした人たちが中心になり、この場所に住み続けるために必要な変化を前向きに捉える風土が整えられている。
「このマンションは、駅から近いし、区役所のすぐ隣。スーパーマーケットや警察署、消防署も全部が500m以内の場所にあります。便利だから私も40年以上離れられなかった。今では、この土地にとても愛着を持っています。私と同じような思いを持つ居住者の方も多かったので、管理組合としても修繕資金を着実に積み立てたり、マンション管理に関する講習を受講したりしていました。耐震改修だって、『ここに住んでいたい』という強い思いで進めてきたのです」(久保木さん)

大京アステージの設計担当の秋元は住民説明会で、その空気を感じたという。
「反対の声が無かったのが、強く印象に残っています。築年数が多いマンションには高齢の方も多いので、費用の面を考慮しても工事実施までのハードルは高いかもと考えていました。しかし、LM豊玉の皆さんはとても協力的で、私たちも助けられました。居住者の皆さんが前向きに取り組んでこられたから今があるといっても過言ではない。それぐらい、耐震改修工事を成功させるのは難しいです。私自身も15棟の耐震補強工事案件に携わらせていただいて、実際に着手できているのが、LM豊玉も含めて2棟なのですから」








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