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情報誌「くらしと」取材レポート

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2017年6月号

対話でスムーズ 耐震改修


耐震改修工事の出来栄えに関係者は「成功!」と口をそろえる

昭和30年代からベッドタウンとして発展してきた東京都三鷹市。今も次々と新しいマンションの建設が進むなど、人気に変わりはない。

三鷹市の住宅街に建つ「ライオンズマンション三鷹」は、この春、耐震改修工事を完了させた。管理組合のメンバーと施工会社は、「成功した」と口をそろえる。その理由は、マンションの〝顔"といえるエントランス側に設置されながら、違和感なく街の景色に溶け込んでいる補強のための躯体にある。

「マンションのエントランスが大通りに面しているので、人通りは多いのですが、耐震改修工事をしたことに気がつかない方もいます。それぐらい補強の柱の色がマンションの外観とマッチして、キレイにできているのです。満足度も高いし、これで安心して住み続けられるというのがうれしいですね」と管理組合の理事長である村田さんは語る。

ライオンズマンション三鷹は、築38年がたつが、まだまだ不動産としての価値は高い。耐震改修工事は、その価値を保つという面でも大切なメンテナンスとなったようだ。
今でこそ、居住者の皆さんも、施工会社の方々も、笑顔で当時を振り返る。しかし、工事の工程が順風満帆に進んだわけではないと、修繕委員長としてリーダーシップをとってきた熊田さんが教えてくれた。
「今回の工事は、三鷹市から助成金を受けられるということで始まった計画です。まず、設計や見積もりなどを含めた修繕計画書を作成するのですが、それを三鷹市が定めた第三者機関に提出して、許可をもらわなければいけません。私たちのケースでは、修繕費などの見直しを行ったため、計画の練り直しが必要になってしまいました。結果、助成金が決定するまで、2年程度かかったのです」

2年も計画が進まなければ、居住者の中から不安や不満の声が上がってもおかしくない。しかし、ライオンズマンション三鷹では、大きな問題は起こらなかったそうだ。「知らなかった」「わからない」という思いを居住者が抱かないように、積極的な情報提供を実践したことが要因だといえるだろう。

ポイントは、大きく二つあったという。一つ目のポイントは、修繕工事の必要性を、マンション居住者全員が持てたということにある。
耐震改修工事の前には必ず、耐震診断が行われる。ライオンズマンション三鷹では、その結果を居住者に伝え、工事の必要性を説いた。




情報提供の工夫で、マンション内の「知らない」「わからない」を解消

「耐震診断は、マンションの各階ごとに出ます。その数値が、マンションのあらゆる階層で、基準値を下回っていたのです。実際の数字で見ると、工事の必要性を感じますよね。耐震改修工事に反対する声は、ほとんど上がりませんでした。皆さん、この場所に住み続けたいという気持ちは共通ですから」(熊田さん) 

初動の段階において、マンション全体で工事を自分事として捉えられたのは大きかった。
さらに、修繕委員会では耐震改修後のマンションの模型を、設計会社に依頼して制作した。
「工事に関する情報を、言葉だけではなく、完成後のイメージもわかりやすく伝えたのです。そういった工夫も大切でしたね」(村田さん)
こうやって、居住者の皆さんの頭の中から「工事が必要な理由を知らない」という不満や、「工事後に、どんな形になるのかわからない」という不安を、上手に取り除いた。

二つ目のポイントは、マンション内に工事の情報を伝えてくれる修繕委員会があったことだ。
「修繕委員会を、管理組合の理事会とは別に運営していたことが大きかったですね。管理組合の理事長は毎年交代します。今回の工事は、計画から完成まで4年以上がかかっていますが、その間を一貫して関わってくれる人が必要だと考えたのです。
そこで、毎年の理事長が修繕委員会に残り、理事会のサポート、居住者の方との橋渡しをしていました」(村田さん)

工事に関する提案書や設計図面、助成金に関する申請書などは膨大な量だ。大京アステージのマンションアドバイザーもサポートするが、それでも毎年引き継いでいては話が進まない。工事の全体像を把握できる委員の存在は、とても大きかった。
さらに幸運だったのが、委員長を務めた熊田さんが、一級建築士の資格を持つプロだったということだ。

なぜ、助成金がなかなか決まらないのかという問題も、同じ居住者である熊田さんが状況を理解し、居住者目線でしっかりとマンション内に報告をしてくれた。そうすることで、居住者の皆さんは「知らなかった」「わからない」という思いをあまり抱かずに済んだのだろう。
「私はわかりすぎるので、施工会社さんには苦労をかけたかもしれません(笑)。ただ、工事を始める前、責任者の方に必要な部分の工事を確認させてほしいとお願いしました。例えば、補強躯体とマンション外壁の接続部分の図面には、穴を開けて、鉄筋を差し込み、接合をすると記載されている。では、実際の現場ではどうなっているか。それをこの目で確認することは大切でしょう。すべてではありませんが、工事の責任者と確認をしました。一つひとつ確認をすることで、安心できるのです」

マンション居住者にとって、熊田さんのような〝眼"が工事の内容をしっかりと確認してくれ、その上で自分たちにも「わかる」ように報告してくれたのは心強かったに違いない。
「もし、マンションではなく一軒家の家主だったら、工事の途中経過をチェックしにくる人は多いですよね。それは、マンションでも同じだと思うのです。自分の家を直すというとき、しっかりとチェックしたいという気持ちは当然ある。そういう点をピックアップして伝えれば、居住者の皆さんも安心されるでしょう」と熊田さんは笑顔で語った。



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