ユニハイム本厚木に設けられた設備の数々は、「これがあれば安心！」と納得してしまうものばかりだ。
しかし、設置には多くの費用がかかり、居住者の合意形成も必要になってくるため、さまざまな工夫を行ってきた。

一つ目は、専門委員会をマンション内に設けていることだ。ユニハイム本厚木には現在、「大規模修繕」「防災」といった聞き慣れたものから、「営繕」「評価」、さらに「ペット」というものまで5つの専門委員会がある。

専門委員会の利点は、委員としてマンション管理にかかわる方が増えることだ。多くの意見や要望が生まれ、反映していきたいという下地ができれば、実現するために協力をしようという機運も高まってくる。

「かつては、当番制で選ばれた理事8名が管理組合を運営していましたが、積極的にマンションをよくしていこうという行動につながりにくかった。でも、日ごろから自分も一員だと思えていれば、協力態勢も自然に生まれるものです」とユニハイム本厚木管理組合の東理事長は語る。

また、専門委員会に参加する居住者の反応もポジティブだ。評価専門委員長を務める花田さんは、住み始めてまだ2年。専門委員会に参加するのは初めての経験だが、「皆さんが教えてくださるので、経験者から未経験者へと知識がスムーズに継承されています。委員会の一員として、防災力の向上やコミュニティーの活性化に協力できるのはうれしいですね」と、マンション管理を自分事にするよい機会と捉えているようだ。

合意形成を得るための二つ目の工夫は、積極的に管理費の節約を行っている点だ。
「例えば、共有部の電灯はすべてLEDに替えています。工事費用は200万円程度かかりましたが、LEDとなったことで、毎年20万円ほど電気代を削減できます。LEDの寿命は20年といわれますので、10年ほどで元をとり、後の10年は収支としてはプラスになるのです」と清野さんが説明するように、随所でコスト計算に余念がない。

なかでも大きな効果を上げているのが、営繕専門委員会の活動だ。同委員会は、マンション内の鉄部の塗装や駐車場のラインなどがはげていたら、自分たちで補修を行ってしまう、"補修のプロ"。普通のマンションなら、大規模修繕まで放置されてしまいがちだが、傷が浅いうちに補修することで、大規模修繕時に大きな補修をしなくて済む。

さらに、植栽の剪定も自分たちで行っており、マンション内の有志を募ってイベントとして整備をしているという。もし剪定会社に頼めば、年間30万円はかかるので、貢献度は高い。

こうした積み重ねで、「年間280万円程度の節約効果があると見なしています」と営繕専門委員長の小河さんは分析する。支出がある分、しっかりと節約するという、専門委員会や管理組合の姿勢を居住者も知っているからこそ、信頼を置いているのだ。

もちろん、節約だけではなく、一つひとつの設備が本当にマンションライフに必要だという理解を得ることも重要だ。
例えば、大規模修繕専門委員会では説明会のために、メーカーまで足を運んだり、資料を集めたりといった準備を徹底。導入する設備のいいところを実感し、居住者にわかりやすく伝えている。

「先日完成した電動ゲートでも、細かく仕様を検証しました。お披露目の説明会では、その頑強さと大きさにいい意味で驚かれている方がいました。ただ納得してもらうだけでなく、設置後や実施後に『よかったね』と言ってもらえる取り組みを続けていきたいです」（東理事長）

今回ご紹介した設備の数々には、ユニハイム本厚木をずっと安心して住み続けられる場所にしたい、という信念がある。

「大地震に見舞われても、建物が崩れなければ、普段通りの生活ができる。そんなマンションを目指しています」と口を揃える皆さんの思いこそ、大規模修繕をはじめとしたマンション運営を前向きに進める原動力だろう。