情報誌「くらしと」に掲載されている「トリクムクミアイ~トナリの管理組合の選択と決断~」の記事をご紹介!
入居3年目で挑んだ
"築43年・3回目の大規模修繕"
ライオンズマンション西荻/東京都杉並区
費用効率が良くなるので、
サッシの交換も同時に実施
築43年ともなると、年数を経たマンションならではの工事が必要になります。今回の修繕では窓のサッシや非常扉の交換を行いましたが、これはまさに老朽化によるもの。東側に小窓があるのですが、この窓のサッシの交換については、私たちが入居する前に特別徴収分として修繕積立金に加えることが決定していたんです。ですから希望者は個人負担なしで取り替えることができました。以前から計画されていたことなので異論もなくスムーズに進みましたし、二重サッシにしたので『エコポイント』も使えてお得でした。
個人的にはエントランスをもう少しモダンな感じに変えたかったんですが、費用が高いので残念ながら今回は見送り、照明をダウンライトにして電気代の安いLEDに替えるにとどめました。次の修繕では実現したいですね。
また、これだけの年数が経つと共用部だけではなく専有部も老朽化してきます。これらの工事は大京アステージと大京エル・デザインにお願いしたのですが、大規模修繕と一緒の時期であれば通常より安くリフォームができるという提案があり、この機会にと利用された方もいたようです」
その他、主立った工事としては外観の塗装、屋上やベランダの防水工事、駐車場の整備などが行われた。大掛かりな工事が少なかったのは、これまで必要に応じて改装を進めてきたからだ。たとえば10年程前には無断駐車が多かった玄関横の空きスペースにコインパーキングを設置。工事費用はコインパーキングの収益で回収できるうえ、将来的には組合の収入となる。また防犯面では、部外者の立ち入りが多いため、6年程前にエレベーターに防犯カメラを設置。住みやすさに加え、マンションの資産価値の向上にもつながっている。とはいえ、今回の大規模修繕では断念したことがいくつかあると現理事長の篠原さんは言う。
「バリアフリー化はそのひとつ。危険な段差はほとんどないのですが、玄関の扉がもともと重たいうえに、風が吹くとさらに重くなってしまう。高齢者にはかなりの負担になるので自動ドアに替えたかったのですが、予算的に無理だったので諦めました。また水道管は20年前頃に配管し直したのですが、排水管はまだ取り替えていない。あとオートロックなどセキュリティの強化も考える必要がありますね」
篠原さんは、築年数の経ったマンションならではの問題も懸念している。「全部で54戸ありますが、竣工当時から住んでいるお宅は10戸くらいしかありません。入れ替わりが増えると、居住者の顔と名前が一致しないということがあります。少しでもコミュニケーションが活発になるよう、最近提案のあった『くらしスクエア』の活用を検討しています。
幸い、今は空き部屋が出てもすぐに埋まります。マンションの管理も管理員もしっかりしているので、入りやすいからなのではないでしょうか。今回の大規模修繕は偶然にも新しい世代に引き継ぐことができました。今後は新しい入居者が参加しやすいコミュニティ作りと同時に、その場所に長年住んでいる居住者との交流を図ることが、古くなっていくマンションに必要なことだと思います」