防犯・防災対策
マンションは耐火構造の建物です。適切に対処すれば類焼の恐れはありません。
火元の住所と階数を落ち着いて119番通報
耐火構造の建物であるマンションは、各住戸ごとに耐火壁や防火戸で仕切られ、仕上げ材も不燃材や難燃材でつくられているので被害が拡大することはまれです。
万一、火災が起こった場合はバルコニーにある洗濯物など燃えやすい物を片付け、窓を閉めてカーテンに飛び火しないよう適切な処置をとれば、類焼の恐れは低くなります。
不幸にして自室で火災が発生した場合は、慌てず小火(ボヤ)のうちに消し止めてください。たとえ小さな火災であったとしても、消火活動をしたあと、必ず119番通報しましょう。火災が広がりそうなときの119番通報は、いうまでもありません。通報にあたっては、次の点に注意してください。
- 出火場所の住所を正確に伝える。
- 出火階数を必ず伝える。
火災を居住者へお知らせ
マンションでは、火災が発生すると各住戸内の感知器で火災を感知し、火災発生階とその直上階へ警報音にてお知らせします。
ただし、火災報知器は、消防署とは直結していません。火災を発見したときは、必ず119番へ通報してください。なお、警報設備の仕組みは、マンションによって異なりますから、前もって確認しておいてください。
消火器を使って初期消火
消防署に火災を通報してから消防隊が到着するまでには、普通、数分を要します。それまでの間、火が燃え広がらないうちなら、消火器を使って自分たちで消すこともできます。これを初期消火といいます。
ただし、初期消火ができるのは、炎が天井に届くまでです。それ以上炎が大きくなったら危険です。素早く避難してください。各住戸の玄関ドアには、防火扉の役目もあります。
バルコニーから隣戸や階下へ避難
マンションでは、2方向に避難できるように避難路が確保されています。玄関から逃げられないときでもバルコニーにある隔て板や避難ハッチを使って、隣戸や階下へ避難することができます。
防災マップ
防災マップに書き入れるのは、消火器、火災報知器、避難ハッチなど消防設備の設置場所と使い方、および各住戸からの避難経路です。
●消防計画書と防災マップは全戸に配付
防火管理者は、マンションの消防計画書を作成し、消防署に届け出なければなりません。消防計画書には火災や地震発生時の対応、消防訓練の実施時期、設備の点検計画などを記入します。
消防計画書には、避難路も書き込みます。これを機会に、防火管理者を中心に居住者のみなさんも協力して、マンション内の避難地図(防災マップ)を別につくっておきましょう。
消防計画書は、消防署に提出するだけでなく、コピーして防災マップと一緒に全戸に配ってください。
●消防署が実施する消防訓練の種類
消防訓練には、消防署の指導と協力が欠かせません。例えば、東京消防庁の場合、通報連絡訓練(出火場所の確認など)、消火訓練(消火器の使い方など)、避難誘導訓練(避難器具の取り扱い方など)、総合訓練(通報、消火、避難など一連の消火訓練)の4つの訓練を実施しています。事前に消防署に相談すればアドバイスを受けられ、係官の実地指導や資材の提供など、さまざまな形で協力を得ることができます。