![]() フキコ: ふえ~、ただいま~。 |
![]() エイジ: うわっ、なんだよその大荷物! |
![]() 毛糸に、お菓子作りの材料だよ。 バレンタインデーまでにセーター編んで、チョコレートも作らなきゃ! |
![]() 何だよフキコ、好きな人でもできたのか? |
![]() 残念ながら私じゃありませーん。 友達に頼まれたの。その子、あんまり器用じゃなくてさ。 「こんなこと、フキコちゃんにしか頼めなくって……」なーんて言われたら、そりゃあ張り切っちゃうよね! |
![]() そういえばこの前、遅くまで机に向かってたから珍しく勉強してるのかと思ったけど、 もしかしてそれも……? |
![]() そうそう。ラブレター書いてたの。 その子、あんまり字がうまい方じゃないんだよね。 「フキコちゃんの字、すっごくきれいだから~」って言われたら、そりゃあねぇ! |
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![]() いいの! 大親友のためなんだもん! 私がなんとか頑張って、その子の恋が叶ったら、私すっごく嬉しいもん! もー、お兄ちゃん、邪魔しないでよね! |
![]() ふーん、そうか。でもよく考えてみろよ。 他人に作らせたものを「心を込めたプレゼント」だって言えるのか? |
![]() ううっ、それは…… |
![]() 人に任せっきりにして、自分では何もしないで想いを伝えようなんて、おかしいと思わないのか? |
![]() 私もおかしいような気はしてたんだけど…… 頼られたらつい「私がなんとかしなくっちゃ」って…… |
![]() 使命感が判断を鈍らせることはよくあることだよ。オレオレ詐欺なんかもそうだね。 |
![]() おかしいと思ったら、一度立ち止まって冷静になってみないとダメなんだね。 |
![]() 誰かに話すっていうのも大事なんだ。冷静な誰かが「それはおかしい」って言ってくれれば、 |
![]() 私も「おかしいな」って思った時点で、お兄ちゃんに話を聞いてもらえばよかったかな。 |
![]() それで、使命感に疑問を持ったフキコさんは、その毛糸とチョコレートをこれからどうするんだ? |
![]() その子の家に行って、一緒に作ろうかな! |
![]() そうだね! |
![]() あー、娘としての使命感はすっかり忘れてたわー。 |
●第12回「まさか」を「もしかしたら」に | ●第11回「焦っていると気づかない!」 | ●第10回「思い込みは会話の初めから」 |
●第9回「年寄り扱いするな!」 | ●第8回「私がなんとかしなくっちゃ!」 | ●第7回「お安くします!?」 |
●第6回「人生最大のピンチ!」 | ●第5回「第三者、現る!」 | ●第4回「知らない番号」 |
●第3回「声が違っていても・・・・・・」 | ●第2回「電話の相手は誰?」 | ●第1回「解説していくよ!」 |