![]() エイジ: ……というわけで、詐欺は人の心理を巧みに利用して、相手が気付かないうちに騙しているんだよ。 |
![]() お父さん: うーん、そうは言っても、やっぱり実感はないんだよなぁ。 どうしても他人事に思えちゃって。 |
![]() お母さん: そうねぇ。親には気を付けてほしいと思っているけど、まさか自分の親にそんな電話がかかってくるなんて、本当に思ってるわけじゃないものね。 |
![]() 誰だって自分や、自分の身内に災難が降りかかってくるとは思わないものだよ。 いつも心配ばっかりしていたら、生きていくのが大変だからね。 だから「自分は大丈夫」って楽観視するようにできているんだ。 |
![]() フキコ: 分かるわ~。毎回テストの心配してたら疲れちゃうもんね! それでいっつも「まさか今回もヒドい点数なんてことはないよね~」って思うんだけど、どういうわけか毎度ダメなんだよね~。 |
![]() テストの時にするのは心配じゃなくて、勉強だからね、フキコ。 |
![]() 前向きに生きていくためには楽観的になるのも必要なことだけど、それが逆に仇になってしまう。 フキコが「まさか」って思うからテスト勉強をしないみたいに、「まさか詐欺になんて遭うわけない」っていう気持ちがあるから、対策を取ったりしないんだよね。 |
![]() なるほど。「まさか」が行動を妨げるのね。 |
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![]() 逆にフキコが「もしかしたら今回も赤点取っちゃうかも!」と思えば、勉強する気になるってことかな。 |
![]() つまり「もしかしたら」は行動を引き起こす、ということになるわね。 |
![]() ねえ、私のテストで喩えるのやめてよ~! |
![]() 「まさか」と思った時こそ、「もしかしたら」に置き換えてほしいんだ。 「もしかしたら詐欺に遭うかもしれない」と不安に思った時、何か行動に移さなきゃという気持ちになるのも、人間の心の動きなんだから。 |
![]() 詐欺に利用されるだけじゃなく、自分たちが身を守るためにも利用するのね! |
![]() あー! 分かったよ! そういうことね! 私が取っておいたプリンがなくなっちゃったの、まさかとは思ったけど、もしかしてお兄ちゃんが食べちゃったんじゃないの~? |
![]() 確かにプリンを食べたし、それは悪かったけど、そういう「まさか」と「もしかして」じゃないからな! |
●第12回「まさか」を「もしかしたら」に | ●第11回「焦っていると気づかない!」 | ●第10回「思い込みは会話の初めから」 |
●第9回「年寄り扱いするな!」 | ●第8回「私がなんとかしなくっちゃ!」 | ●第7回「お安くします!?」 |
●第6回「人生最大のピンチ!」 | ●第5回「第三者、現る!」 | ●第4回「知らない番号」 |
●第3回「声が違っていても・・・・・・」 | ●第2回「電話の相手は誰?」 | ●第1回「解説していくよ!」 |